作者が訊く
Leben'a Lied2 スペシャルインタビュー

Leben'a Lied2の製作秘話や背景について
最近流行りのインタビュー形式でお送りします。(要は
自演です)

青字…インタビュアー
黒字…作者


インタビュアーのMr.Kです。本日はよろしくお願いします。

作者のMr.Kです。よろしくお願いします。

そもそも、どういった経緯で本作を作る事になったのですか?

そもそも最初は、Leben'a Liedとは繋がっていない世界観になる予定だったんですよ。
まず最初に取り組んだのは、今までの作品でいなかったタイプの主人公を考えよう、という事だったと思います。

今作の主人公と言うと、アイちゃんの事ですよね。

はい、アイは女の子ですが、ヒロインと言うより完全に主人公としての位置にいます。
今までの長編に登場した主人公は、もれなく
剣を持った男の子だったじゃないですか。
ある意味ステレオタイプですから、主人公としては描きやすいんですよね。剣を持っているだけで、主人公という記号が与えられている、とでも言うのかな。
ですけど、そればかりだと、どうしてもマンネリってのが起こって来るわけで。
それで最初に、今までと明らかに違う主人公像のデザイン、という所から取りかかったわけです。

なるほど。外伝的な作品を除けば、アイは主人公として初めての女の子ですね。

やっぱり、一目で変わったと分かるポイントと言えば、まず性別だろうと(笑)
先ほど
剣を持った男の子という言葉を使いましたが、ならばという事で、剣を持っていない女の子というキーワードを固めて
そこから主人公らしいデザインに持って行ったわけです。

主人公らしいデザインというのは?

大抵漫画やゲームの主人公って、髪がツンツンしているじゃないですか(笑)

(笑)

いえ、要はRPGの主人公って往々にして世界を賭けた戦いとかに身を投じていくわけですから。

可愛いとか、美人なだけとかではダメと。

『ジョジョの奇妙な冒険』の作者である荒木飛呂彦先生は、主人公が女性に交代する第6部が始まった際
『女の子なんですけど、ジョジョの主人公ですから、顔面ブン殴られてもへこたれないくらいのタフさが必要だ』という事を言いました。
主人公には、強さとか誇りとか凛々しさとか、そういう物がどうしても、少なからずは必要だと思うわけです。
で、格好よさ・凛々しさと、女の子らしい可愛らしさがどうにか共存するように描いたのが、今のアイですね。
ちなみに初期のラフ画から殆どデザインは変わっていません。

 

これぞというイメージが早い段階で固まったというわけですね。
ところで右のラフ画では、カードを持っているようですが、本作もサブイベントとしてカードゲームが収録されているのでしょうか。


いえ(笑)
そちらは今は『ホーリー祭』として特化したシリーズが存在していますので、今回は未収録です。
カードが完全に無くなるのは寂しいので、劇中に小道具として登場します。

なるほど。
それでは話を戻して、まずは最初にアイありきの企画だったわけですね。


そうです。
次に、女の子ならではのシナリオ運びと言いますかね、男主人公では出来ない、もしくは絵的に映えない展開を考えました。
で、最終的にはあまり残っていない要素なのですが、初期に出て来たキーワードが『反抗期』ですね。
年頃の子って異性の親に反抗的になるって言うじゃないですか。

アイの父親と言うと…蓮ですね。前作の主人公の。

父と娘がすれ違いながら、世界を賭けた戦いに巻き込まれていく、というのが初期のアイデアだったわけですが、
さて、そうするとアイの父親はどんなキャラクターにしようやという話が出て来るわけですね。
この時考えたのが、娘に舐められているって事は、父親は情けないとか頼り無いとかイタイとか、そういう属性があるのだろうと。
参考までのつもりで、過去の作品でそういう性格のキャラを探して見たら、自然と(笑)

これはひどい(笑)
どうしてLeben'a Liedの続編になったかと思ったら、たったそれだけの理由で(笑)


いえいえ、一応他にも理由はあるんです(笑)
前作の戦いって、ラスボスの個人的な動機によるもので、よくある世界の命運を賭けた戦いではない、言わばスケールの小さい物でした。
それはそれで味はあるけど、やはりもっと話の規模が大きくないと盛り上がりに欠けるという声もありまして、
ならばという事で、折角色々な設定があった前作の世界観ですから、もっと膨らませて存分に盛り上げてやろうと(笑)

その結果が、あの厨二病の蓮だと(笑)

彼の名誉の為に補足しますと、厨二病なのは彼だけではないんです。
前作では、現代日本を舞台にしたり、キャラクターの内面描写に重点を置いたりと、全体的に結構変化球な作りのシナリオだったじゃないですか。
前作で変化球だったならば、次は王道的な作りで行こうと。

王道にした結果、自然と厨二的な要素が入って来るわけですね。

厨二要素ってのは、本来蔑まれるべきものではなく、言わば王道のステレオタイプである筈なんですよ。
ただ昨今は、それを否定して悦に浸る『高二病』なる人種が出て来まして、そんな事があって、厨二要素はダサいと思われがちな風潮があるように感じます。
でも、ちゃんと描かれた厨二要素ってのは、厨二ではなく『カッコいい』のです。
そんな事を考えて、今回は物語の展開はとても分かりやすい王道そのものになっています。
スケールが大きくて盛り上がる話を考えたら、自然と厨二的・王道的な内容になった、とも言えますね。

キャラクター紹介においては、天使のような風貌のウィスタリアが、重要なキャラクターとされていますね。
前作やハルリンに引き続き、今回も天使が物語の鍵を握るという事でしょうか。


はい、今回も序盤からガンガン天使たちが飛ばしていきます(笑)

Mr.Kさんは、以前の作品も含めて、天使というモチーフにかなり強いこだわりを持っているみたいですね。

元々天使にハマった切っ掛けは、高校生の頃にプレイした『テイルズ オブ シンフォニア』ですね。
今でこそテイルズは
見る影もないクソブランドに落ちぶれていますし、続編のラタトスクの騎士は無かった事にした方がいいと思っていますし
もういつ
シンフォニアも糞リメイクの被害者になるかと戦々恐々ですが、あの作品があったからこそ、今の天使スキーに至ったというのは事実です。

なるほど、それで『Hallucination Ringdom』では用語やシナリオ運びなどにオマージュが多く見られたのですね。

あの時ほど露骨ではありませんが、今回もいくつかオマージュを仕込んでいます。
まぁ、気付いた人はニヤッとして下さい(笑)



続いては、戦闘システムについてお聞かせ頂きたいと思います。
ライフエネルギー・ツクールデフォルトバトル2…略して
LE-TDB2ですね。

2とついてはいますが、前作のLE-TDBのシステムは殆ど引き継がれていませんね。
前作のバトルは、ターン毎にHPとMPが一定値だけ自然回復するシステムだったじゃないですか。

残りMPが多い時は、HPの回復量が上がって、少なくなるとMPの回復量が上がる仕組みでしたね。

防御時のダメージ軽減率が非常に大きかった仕様と相まって、ガードを固めて、状況に応じてHP・MP自動回復の割合を調整しながら
言わば攻めと守りのモードを随時切り替えて戦うという、非常に戦略性の高いバトルが実現したと思っています。
ただ、ガードしながらチマチマ殴るのは、どうしても見てくれはパッとしないわけで。

戦いの華と言える新要素が必要だったと。

それで今回、平たく言うとリミットブレイクに当たる、レベナ・ドライブが実装されたわけです。
ドライブから3ターンの間は自動的にスターシールド(状態異常を防ぐ盾)が展開されて、かつダメージや追加効果が通常スキルとは桁違いの
特別なスキルが使えるようになります。

 

すごい威力差ですね(笑)
確かにこれ程の大技が強力なボスに決まると、さぞかし爽快でしょうね。


レベナ・ドライブがいつ発生するかはプレイヤーには分かりませんが、HPが低い状態であるほど、内部にあるレベナゲージの蓄積が早まります。
ですので結果として、ボス戦等でピンチに追い込まれている状況下では発動しやすいです。
強力無比なレベナ技で不利な状況をひっくり返す、という熱い展開も、きっと味わって頂けると思います。

もう1つの特徴的な要素が、武器を変えると使えるスキルも変わる、というものですね。



前作では、新しいスキルを覚える為には、特定法則でスキルレベルアップをするという、
決して分かりやすいとは言えない方法を取らなければなりませんでした。
今回はその反省から、もっと分かりやすく、それこそ一目で理解できるようなスキル習得システムをということで
古典的ですが、装備品に完全依存させる方法を考えたわけです。

確かにこれは分かりやすいですね。

アイは主人公らしく攻撃型のキャラクターですが、持たせる武器によっては補助スキルばかりが発動したりします。
他の補助型のキャラクターも、突然攻撃力が大きく上がり、強力な攻撃スキルを覚える、なんていう武器も稀にありますね。
同じキャラクターでも、今まで以上に装備次第で色々な役目をこなせるようになっていると思います。
それに何より、ゲーマーというのは本能的に武器集めが大好きだと思いますので(笑)

(笑)

今回は店売りの武器は少なく、殆どはダンジョンで宝箱から手に入れたり、ボスを倒す事で手に入る一点ものとか
特定の敵が低確率で落とすという入手方法になっています。
今までのアクリンゲーは、ダンジョン内に宝箱が殆ど無く、敵も非売品は落とさないというのが大半だったと思うのですが
今回はアイテム探しが非常にアツいですのでご期待下さい。

シナリオもシステムも、大いに遊べそうですね。
それでは最後に、プレイヤーの方へひとことお願いします。


これは実機で見て頂かないと分かりにくいのですが、イベントシーンでのキャラクターの演技もかなり強化されています。
今までだったら動きのある展開でも、キャラクターが棒立ちのままで行わざるを得なかったのですが
今回は状況に応じて、ドット絵でかなりアクションを行うようになりました。
全てにおいて過去最高のパワーが注ぎ込まれた本作を、是非プレイしてみて下さい!

楽しみにさせて頂きます。
それでは、本日はどうもありがとうございました。


モドルーワ!

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